一人と一機のガリレオ
1610年、木星の観察を手製の望遠鏡で行っていたガリレオは
木星の周囲を小さな星が回っているのに気がついた。
この小さな星は後に衛星であることがわかった。
それからしばらくして、ガリレオは天球が固定でないことを主張。
その結果異端審問で破門されてしまった。破門って坊主かよ。
異端審問ってのは、ぶっちゃけ当事においては死刑宣告
みたいなものだったのでこれはたいへんなことだ。
ガリレオは「それでも地球は動く」とつぶやき去っていったと
いうが、近年(400年近く後だ!)異端審問が解かれたらしい。
ていうか異端審問した連中にはおとがめなしかよ。
てめぇらこそ地獄に落ちろ…ってそりゃ言いすぎだが。
異端審問を恐れたコペルニクスは、死の前日に地動説を発表した。
なんて奴だ。ガリレオは正直者過ぎたんだな。
さてそれから400年。
人類はすでに木星の探査を成功させ、外宇宙に探査機を送り出した。
ボイジャー、パイオニアなどの探査機がさまざまなことを調査し、
木星などに関する知識は飛躍的に増大した。
そしてついに人類は月、火星に続き探査機を木星に送り込む計画を立てた。
それがガリレオ計画である。
しかし、木星は月や火星と違って岩で覆われているわけではない。
惑星には木星型と地球型がある。
木星型というのはガスで覆われた惑星で、ガスの主成分は
水素やメタン、アンモニアなどである。
その中心には鉄で構成された核が存在する、といわれている。
一方地球型惑星というのは、地球みたいに岩で覆われた惑星である。
惑星なんていうのはだいたい「星の屑」(つまりは星間物質)の塊で、
その配分と太陽からの距離で組成が決まる。
星間物質が太陽の1/10くらいあれば恒星になるのだが、木星はそこまでの
大きさを持っているわけではない。木星は恒星にはなれなかったのだ。
話が少しそれたが、ガリレオ計画とはそんな木星の中に探査機を突入させる
というなんというかSFくせぇというか漢らしい計画である。
そして1989年、地球を旅立ったガリレオは95年に小型探査機を突入させ、
さらに数年間の木星圏探査(延長)の末、ついに燃料がなくなってしまった。
そこで木星に突入して最後を迎えることになったのだ。
木星環境に影響はないのか、とか、木星人に迷惑かかんないかとか
言う不安があるかもしれないが、そもそも木星には彗星やなんやが
よくぶち当たってるし、木星人も多分いないから大丈夫。
大体そんなの言ったら、月に行ったら月のウサギが迷惑するかって言うと
月にはウサギは居なかったわけで。
ウサギはおろかグレイもバニーのねぇちゃんもいなかったしな。
…月はキャバクラでもショーパブでもないぞ。
火星にも火星人も火星獣もいなかったわけで。
…なんか火星獣ってかっこいいな。
しいて言うなら、木星のエウロパですには生命が存在する可能性が
うっすらとあったりなかったりする。
その研究のための探査機が2008年に出発予定、だそうだ。
タイタンに海がある可能性を探りに行くそうだ。
今回ガリレオが最後の任務に挑むのは、燃料切れでエウロパに衝突
する可能性もあるからだ。
エウロパの生命がそれで絶滅なんて可能性も、ありえないとは言い切れない。
ガリレオの最後はどうなるか、だが。
木星の内部には液体の水素やメタンがあるという。
それ以前に、木星の内部は風速100m以上の暴風も吹き荒れる。
シューメーカー・レビー彗星の衝突のように爆発を起こしながら、
木星の重力に引きずり込まればらばらになっていくだろう。
ガリレオの子機はシールドされていたが、親機はシールドされていない。
ここまで長くミッションを続けるとは思わなかったんだろうな。
宇宙開発や研究にかかるお金は年々減らされてる。
正直、こんな夢のあるミッションはもう出来ないだろう。
ガリレオが飛び立ったのは1989年。
ベルリンの壁が壊れ、共産主義の終焉が始まった頃だ。
宇宙開発は兵器の発展のためにあった部分もある。
それがあまりに超兵器となってしまったため、人類の手には
余る代物になってしまった。
ガリレオの最後、ひょっとしたらそれは東西冷戦の最後かも知れない。